5月文教常任委員会にて質問*北海道の芸術振興について他

2021.05.12
5月文教常任委員会にて質問*北海道の芸術振興について他
写真は母と小さい頃に知事公館のお庭で。
毎日のお散歩コースでした。この度は知事公邸などの件でも質問しています。

★5月11日開催の委員会において 
「Society5.0時代」と言われる現代、新たなニーズに対応した考え方とともに、老朽化が進む北海道近代美術館のありかたなどを中心に
◎文化芸術を巡る環境の変化への対応では 
  1)学校における取組み
  2)生涯学習における取組み
  3)今後の文化芸術政策
◎道立近代美術館の再生では
  1)知事公邸等
  2)近代美術館
  3)今後の取組み   
          について質問しました。
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次代を担う産業人材の育成のために
今や世界各国で”STEM教育”の導入が進行中で、我国でもビジネスや技術開発分野において、従来の理数の授業では補えない、創造力やデザイン力を備えた人材育成の必要性が産業界を中心に高まり、本年1月の中教審答申には、令和の日本型教育の構築を目指し、科学・技術・工学・数学に”Art”を加えた教科等横断的な学習の推進による資質能力の育成方針が打出され新学習指導要領にも明示されました。そこで「図画工作や美術科でどのような課題があり、どう改善を目指すのか」尋ねたところ
高校教育課長から
「感性や創造力等を豊かに働かせ、表現したり鑑賞したりすることや,生活を楽しく豊かにする造形や美術の働きなど実感的な理解を深め、豊かに関わることなどが課題とされている・・・日常生活の中で美術と豊かに関わる場を多様に設け、創造的な活動ができる指導を充実させていく」との答弁があり
次いで子供たちは、文化芸術の学びを通じて感性を育み、日本文化の理解・継承を通じて異文化や多様な人々の価値観を理解し、協働の精神が培われると思うが「文化芸術教育の指導充実にどう取組む考えか」尋ねたところ
高校教育課長から
「地域の芸術や文化、人々の暮らしを伝える美術館や博物館の学芸員を活用する事業や海外の国や地域と連携し、オンラインによる交流等を通して、日本文化及び異文化や多様な人々との価値観の理解を促し、豊かな心と創造性を育む教育の充実に努める」旨答弁がありました。
また、近年、多文化共生の考え方が深まり、環境などに関する価値観に大きな変化が見られるとともに、アイヌ文化復興のための「ウポポイ」開業更に縄文遺跡の世界遺産登録の動きなど、本道の多様な文化に対する評価が高まっている。文化芸術行政の現状と課題をどう認識し「知事部局連携及び政策拡充などの考え方」について尋ねたところ
教育部長から
「関係部局と連携し、文化財保護と活用による地域振興、博物館、美術館等のネットワーク強化、自然や食を加えた本道の文化について理解を深める文化観光の推進など協働して施策展開できる体制づくりに努める」と答弁ありました。

〜北海道固有の文化の創造をめざして〜
◎ 道立美術館の再生について
私が子どもの頃から、しばしば訪れていた知事公館や同敷地内の知事公邸等の殆どは老朽化で使用されず現在、有識者による「知事公邸等のあり方に関する研究会」で議論が進められています。委員からは「エリア一体の検討を進めるべき」との多数意見が出ている模様ですが、隣接の道立近代美術館の将来にも影響することから、同研究会の構成及び検討課題や意見の概要について尋ねたところ
文化財・博物館課長から
「研究会は、地方自治や公共政策などを研究されている横浜市立大学の宇野二朗教授を座長に地方財政やまちづくりなどの有識者6名で構成され、知事公邸等の役割や効果的・効率的な施設整備の手法、また、知事公館や緑地の保存・活用の方法などの現状と課題について検討されているところ・・・知事公邸エリアが文化的な地区であるため、50年先、100年先を見据えて、近代美術館敷地を含めた全体像を検討していくことが重要であることや施設整備に関しては、道財政との両立や民間資金活用、緑地の環境保全更にエリアのネーミングや運営方法の工夫など、幅広い意見交換が進められている」旨答弁があり
そこで、築44年経過し老朽化が著しい近代美術館については、長寿命化診断及びその結果による改修工事を想定した調査費が計上されていることから「長寿命化診断の実施結果と今後の対応について」尋ねたところ
文化財・博物館課長から
「昨年度、建設部が長寿命化診断を行った結果、改修にあたり他に収蔵品を移転できない等の要因により”長寿命化に適さない”と診断されたことから、今後は、施設の改築等を視野に検討を行う必要がある」との答弁でした。
「近代美術館は、本道の文化芸術の中核拠点として、将来にわたりその役割は大きなものがあり、どのような施設整備を進める考えか」尋ねたところ
生涯学習推進局長から
「美術作品保護などの観点から、現在の施設機能を維持しながら、改築等の検討を行う必要があることから、”知事公邸等のあり方に関する研究会”報告を踏まえ、知事公邸エリア全体の中での施設整備のあり方について検討してまいる」旨答弁あり
このエリアには、知事公館や近代美術館、三岸好太郎美術館、著名な彫刻作品など、歴史的・文化的に貴重な建物や作品が多く、都会の中心部に残る豊かな緑とともに周辺住民にとって静謐な癒しの空間として親しまれている。
「様々な方々のニーズやアイディアを踏まえ、夢と創造性あふれるエリアの実現に向けて検討を進める必要性について」見解を求めたところ
教育部長から
近代美術館を含む一連の区域は、これまでの文化振興の役割はもとより、多くの方々が芸術を通して様々な体験や交流する場としての機能やインバウンドも見据え、他の施設とも連携した文化観光の拠点としての役割など、多様なニーズを踏まえる必要がある。今後、周辺住民皆様やこれからの文化芸術を担う若い世代、北海道を応援いただいている企業等、様々な方から、このエリアの魅力向上と経済性、環境性などに資する幅広いご提案をいただく仕組みを整え、近代美術館が本道の文化発信の拠点となるよう検討を進める」旨答弁があり、引き続き関心をもって推移を見守ってまいります。
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祖父母と知事公館にて・・・私が初孫だったため、お祝いに来てくれました。
知事公館には特別な思いがあります。